宣伝会議というHPでこんな記事を見つけました。
http://smmlab.jp/?p=38032
スマホ時代の情報検索はハッシュタグが起点?!若年層女性の約半数が「気になる情報」をハッシュタグで検索している!〜女性SNSユーザーのハッシュタグ利用実態調査〜
この記事ではSNS利用ユーザーのハッシュタグを利用した検索について語っています。
内容としては自分では使ったことがないハッシュタグを使った検索が、20代以下の女性の半数が利用しているという調査結果でした。
世の中がそんな風になっているなんて進んでいるな~感じで記事を読み進めてみると調査方法が以下のようになってました。
調査名称 : 女性のハッシュタグ利用状況と利用しているSNSについての実態調査
調査主体 : アライドアーキテクツ株式会社
調査時期 : 2015年1月14日〜1月25日
調査方法 : Facebookアプリ「モニプラ」(https://apps.facebook.com/monipla/)上でアンケート調査を実施
有効回答数 : 4,563名
まずは有効回答数が4,563でnとしては問題がなさそうですが、調査方法が(Facebookアプリ「モニプラ」(https://apps.facebook.com/monipla/)上でアンケート調査を実施)とあります。
いや、これってそもそもの母集団の取り方がマズイんじゃないのと思いませんか?
マズイ部分その1:
はい、これは対象となる母集団はSNSユーザーであるべきなので、調査にSNSの一つであるFacebookを利用している点がNGです。このような調査をやるんだったら、せめてそういったバイアスがかからない母集団の選び方をすべきだと思います。
日本の場合、一番多いSNSユーザーであるLINEユーザーが抜けているのは致命的でしょう。(FBのユーザーとLINEではクラスターが結構違います)
マズイ部分その2:
上記にプラスする形でダメなのがFacebookアプリを使っているという点です。
そもそもFacebookのこういったアプリまで使っているユーザーって、何だかんだ言ってもバリバリにSNSを使っている層ですよね?
であれば、一般的なSNSユーザーの傾向と全く違うSNSの使い方をしている事は想像に固くありません。
これがSNSの利用状況ではなく、全く違う領域の調査をするのであればランダムサンプリングに近い結果も出るのでしょうが、エッジなユーザー層の意見しか反映されません。
→ まあ、インターネット利用状況についてのアンケートをインターネットを使って調査するようなものですね。(この場合、回答の100%がインターネットを利用していますという結果になります)
また、この調査結果の中に他のSNSとの比較をする下記の質問
Q. ハッシュタグを利用したことのあるサービスは何ですか?
というのがあり、図のようにTwitterがダントツトップでFB, Instagramが続くという結果になっております。
上記2番めで指摘したように、この回答者は基本的にFBユーザーであり、かつTwitterやInstagramも併用しているユーザーというヘビーユーザーと言うことがわかります。
しかし上記回答でTwitterユーザーによるハッシュタグの利用率が82%というのは驚異的な数字です、50代以上でも77%という数字っていうのはどうなんでしょうね?(ていうかこの記事書いた人ってこの時点でおかしいって思わなかったのかな)
ちなみに、自分の感覚が一般的な人とずれている可能性は否定出来ないので職場の女性数名にこの話をしましたが、「ハッシュタグって何?」というのが大方の反応だったのでまあ上記の感覚で良いように思います。
まあ、こんな極端にダメなユーザー調査は珍しいですが意外に陥りやすい罠なので、言いたい放題させてもらいました。