あの自然界の風を再現する扇風機で有名になったバルミューダがトースターを出した。
価格は2万4732円、6月中旬出荷予定。二子玉川TSUTAYA家電、同社直販サイトなどで先行販売予定とのこと。
2万円以上するトースターって?と思ったがさすがにあのバルミューダが出す製品なのでとてつもなく凄いらしい。どうやらスチームと温度制御を完璧に行うことにより焼きたてのパンの風味を再現できるそうだ。(下記参照)
まあ、詳しい紹介は色々なメディアで取り上げられているので割愛するが、ここでは日本の製造業(特に大手メーカー)からこのようなイノベーションが起こらないかについて考えてみたい。
週刊アスキーの紹介記事:
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/340/340110/
自分も某製造業に勤めており、入社以来ずっと企画を担当していた事もありものづくりのプロセスについてはかなり詳しいのであるが、とりわけ日本の製造業の場合ってこのプロセスってものにこだわるんだよね。
元々日本って高度成長期には欧米っていうお手本があってこれに追いつけ追い越せって感じでものづくりをして、勤勉な国民性とKAIZENを始めとするプロセスの作り込みによりMade in Japanが品質的に世界的に認められて成長して先進国の仲間入りをした歴史があるのは周知の通り。
自分の会社においても新しい発想が要求される企画部門でもプロセス先行の仕事の仕方が求められるわけね。必然的に、企画書作るにしてもまずは3C分析して競合の動向、価格調査なんかから始まり自社の商品の満足度調査を行うわけですよ。
この結果、企画書に記載されるのは他社と比べて劣っている機能のリスト、満足度調査で不満度の高い項目、優先順位なんかが並ぶわけ。まあ、そうは言っても企画担当者も個性を出したいのでこういった項目の中にも「こだわりポイント」とかいってあまり商品性に関係無いような事を書いて提案するわけです。
これって、TQCなどを神格化している日本の製造業だと一般的なやり方だと思うんだけど(一応近い業界のベンチマークはしてますが)どうですかね?(違っていたら誰か教えてください)
顧客ニーズ(潜在ニーズ)って上記のプロセスを回すと100%出ない事は明白で、これが日本の大手メーカーから革新的な製品(イノベーション)が出ない理由だと思っています。
ちなみに完全に新しい分野での企画提案であれば、そういったプロセスも使いようが無いのでイノベーションがおこる可能性もあるけど、こういった分野ってシリコンバレーのような社会的な仕組みに敵わないので大手メーカーが取れる戦略じゃないと自分は思ってるので既存分野でのイノベーションを日本の製造業は目指すべきだと思ってるんですが。
さて、バルミューダのトースターは個人的な琴線に触れているので既に欲しいものリストに入ってるんですが時を同じくしてこんな記事を発見しました。
5分で炊ける炊飯器というイノベーション
http://blogos.com/article/113631/
いや、この人の言ってることってめちゃくちゃ正しいですよ。
自分だって味はそこそこで5分(いや10分でもOK)で炊ける炊飯器があったら絶対購入しますよ。
多分大手メーカーの技術者からすると、技術的に不可能だとか言うと思うんですが(うちの会社でもよくある)そういった不可能に挑戦するからこそイノベーションが生まれるので、バルミューダではなくパナソニックさんか東芝さん辺りにでもこの商品を開発して欲しいですね。
世界に米食文化を普及させるっていうスローガンで5分で炊ける炊飯器を家電系メーカーの企画担当者、どなたか企画してくれませんか。(なんかアイリスオーヤマあたりが出してきそう)